新・幻想と怪奇

どの作品も古い!クラシック!!現在では似たような作品がいくつも溢れている気がするが、それでもアンソロジーは面白い。気に入った作品いくつか
マーサの夕食 ローズマリー・ティンパリー
従順で理想的な料理上手な妻と、その妻だけでは満足できずに愛人をもつ夫の話。予想通りの展開だが、普段は声を出して笑ったりしない筈のマーサが笑うラストが恐ろしい。
そして笑った。それは美しい笑いだった。幸せそうによく響く。朝の鳥の鳴き声みたいだった。ポールがはじめて聞いた彼女の笑い声だ。その笑い声はどんな笑い声をも圧倒するものだった。彼女は笑って 笑い続けた
闇が遊びにやってきた ゼナ・ヘンダースン
「嘘はつかない。三本半の足の猫もやる」
「すげえ!」闇とスティヴィーの会話
幼い子供と闇(悪魔)との対決。作者の他の作品も読んでみたい。ラストに明かされる、スティヴィーがポケットに入れていたお守りの正体が
いい。
不眠の一夜 チャールズ・ボーモント
このアンソロジー一番のショートショートで僅か3ページ。
ジェリー・マロイの供述 アンソニイ・バウチャー
ドラマや漫画などでもよく見かける腹話術人形ネタ、文章で書くとこうなるのか。最初は全然気がつかなかった。
射手座 レイ・ラッセ
「私はそこいらの凡人とはちがう。射手座の生まれだ。あんたは占星術のことなど何も知らんだろう?せいぜいのところ、射手座といっても、無害な弓の使い手の星座としか思っておらんだろう?この射手というのが何者なのか、よく頭に刻みこんでおくことだな。それは ただの熊でも、牡牛や蟹やひとつがいの魚、人間でもない。そもそも実在の生き物ですらない。かなり不自然な生き物、半分は人間で、半分はけだものだ。射手は半人半獣なのだ。そして、いいかね、ムッシュー・・・」byラヴァル 射手座すげえ!今度TRPGのPC作る時は射手座のキャラにしよう!

新・幻想と怪奇 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1824)

新・幻想と怪奇 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1824)

内容(「BOOK」データベースより)
恐怖とは、人類が知能をもった瞬間から、その生活のすべてについてまわる根源の感情である。人類は常に、恐怖におののき、恐怖に学び、恐怖を楽しんできた。女遊びの絶えない夫に妻が放つ痛烈な一撃。未開の惑星に不時着した乗組員の想像を絶する体験。何気ない万引事件に発する途方もない危機。囚われた恋人たちを襲う残虐極まりない拷問。史上最も有名な殺人鬼を父に持った意外な人物。銀幕の裏側に誰にも知られず隠されてきた秘密。そして、平凡な日常に不意に現われる幽霊たち…マシスン、ブロックら巨匠たちの知られざる逸品から、ティンパリー、バレイジら忘れられた名人たちの傑作、さらには埋もれた名作やマイナー作家の一発芸まで、恐怖と戦慄の短篇17篇が大集合!編者のライフワークともいうべき伝説のアンソロジー・シリーズが最新版で登場。