魂の盗人(「ストームブリンガー」収録)

最愛の妻を何者かに拉致されたエルリック。魔剣ストームブリンガーを手に探索の旅に出るが、“新王国”の地は、“混沌”と手を結んだパン・タン=ダリジョール連合軍に侵略されつつあった。戦乱の渦中に否応なく巻きこまれるエルリック。だがこれらは、迫り来る“混沌”と“法”の怖るべき戦いの前哨戦にすぎなかったのだ!「魂の盗人」「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」の3中篇と、表題長篇『ストームブリンガー』収録。(裏表紙より)
面白かった。
北東部の都市バクシャーンの居酒屋でエルリックは4人の強大な商王らから、ライバルの商人を消すように頼まれる。当初は4人の商王から巻き上げようと思っていたエルリックだが、商王の口から出たある名前を聞き新たな計画を立てるのだった(まあ、その名前というのはエルリックが追い続けている魔術師の名前だったわけだけど)。
この話で印象に残ったのは、相手の魔術師が使う魔法とエルリックが魔剣ストームブリンガーを奪われてしまう場面。
この魔術師まずは召喚術で時間と空間の彼方から、なんだか気持ちの悪い生き物を呼び出してエルリックと戦わせる。そしてエルリックは苦戦しつつもこれを倒す。そしてエルリックはいつのまにか魔術師のもとへ運ばれストームブリンガーを奪われてしまう。訳がわからないが魔術師曰く「わしは大急ぎで別の呪文を唱え、おぬしをここへ運んできた」らしい。そんな理由でいいんだ・・魔法ズル過ぎるだろ・・(ウーサー王が禁止するわけだ!魔術師マーリンの話だけど)
それからストームブリンガーが奪われてしまう場面だ。これはもう読者からしてみたら、今回の話はストームブリンガー無しで愛と勇気で敵を倒す話、と考えるところだろう。しかしさすがはエルリックストームブリンガーを奪われたが命までは取られず解放されたわけだが、その一時間後にはすでに魔剣を取り戻していた。
どうやって魔剣を取り戻したのか?
これからこの本を読む人のために魔剣を取り戻した方法は秘密にしておく。以外過ぎる方法でビックリする。ちなみに魔剣を保管している建物には私設の軍隊がいて、魔術師もいて宮殿を魔法で固め、砂漠の民の衛兵もいる強固な宮殿である。そしてエルリックは魔剣の力がないと死ぬほど病弱である。

ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF)

ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF)